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新型コロナウイルスの感染拡大で4月の国内消費が大きく落ち込んだ。総務省が5日発表した家計調査で2人以上の世帯の消費支出は26万7922円と、物価変動の影響を除く実質で前年同月比11.1%減った。
減少率は比較可能な2001年以降で最大。外出自粛でパック旅行費が97.1%減、外食が67.0%減などサービス分野を中心に壊滅的な数字となった。
00年に調査対象の世帯の範囲を変えたため単純比較できないが、総務省によると「確認できる1986年まで遡ってもここまでの落ち込みはない」。前年を下回るのは消費税率を10%に上げた19年10月から7カ月連続。支出の水準を示す季節調整済みの指数も前月比6.2%低い86.9と00年以降で最低となった。
4月は政府の緊急事態宣言が全国に出て外出自粛や買い控えが広がった。総務省の担当者は品目別の消費支出の動向について「緊急事態宣言が出た頃から底に張り付いて動かなくなったものが多い」と説明した。前年同月比6.0%減と5年ぶりの減少率だった3月より深刻な状況となった。
レジャー関連はパック旅行費のほか、遊園地入場・乗り物代が97.8%減、宿泊料が94.7%減、映画・演劇等入場料が92.7%減と落ち込んだ。休業が相次いだ居酒屋などの飲酒代は90.3%減、レストランなどの食事代も63.3%減った。
外出機会が減ったことで交通運賃も軒並み急減した。航空は94.5%、鉄道は89.9%、バスは71.5%、タクシーは69.8%の減少だった。
病院の診察料などの保健医療サービスも14.8%減。「コロナ禍で診療を控える人が増えて患者数が激減した影響が出ている」(同)という。学習塾などの教育関連の支出も2.8%減った。
在宅勤務の拡大や入学式などの式典の縮小・中止で衣料品の需要も減った。背広服は79.9%減、婦人用スラックスは61.5%減となった。お祝い金や香典などの支出も急減している。
自炊の拡大でパスタが70.5%増、コメが11.8%増となるなど一部の品目は巣ごもり消費で増加した。在宅勤務の広がりを受けてパソコンは72.3%増えた。ゲーム機も68.2%増えた。
電気代や上下水道料などの光熱・水道費が7.4%増えたのも巣ごもりで在宅の時間が長くなったためとみられる。
菅義偉官房長官は5日午前の記者会見で家計調査の結果を受け「個人消費を含め経済に深刻な影響が出ていると認識している。段階的に日常の経済活動を取り戻していく必要がある」と述べた。
緊急事態宣言は5月14日に39県、25日には全国で解除された。消費は底打ちするとみられるが、雇用情勢の悪化が家計に及ぼす影響も深まる可能性がある。総務省の担当者は「収入が減らなければ、買い控えていたものを買うが、5月の家計調査をみないとはっきりしたことは言えない」と述べた。
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