教室運営のヒント&お知らせ Tips & News
2019.6.10
教室運営のヒント NO,306◆もう私たちのことはどうでもいいんだ…
■とあるスクールのお話しです。
Aさんは、あるスクール業界で、講師から拠点責任者になり
その後、自分の思いを実現できるようにと、独立し
自宅近くの店舗でスクールを開業しました。
開業前に、起業についてAさんなりに勉強をし
起業セミナー等にも参加をして、日本政策金融公庫からも
資金調達をし、はれてスクールを開校しました。
ホームページも作成し、チラシも配布し、
あとは未来のお客さまの問合せを待つのみです。
拠点責任者時代、生徒募集も行い、
まずまずの成果を上げていたこともあり、
自信満々ではないですが、ある程度の自信を持っていました。
当初の予定より、お客さまが集まりません。
現状では家賃の支払いさえ足りない売上です。
まだまだ、これからと思い、チラシを配布していきます。
しかし、3ヶ月経っても、家賃分の売上になりません。
借りたお金が入金されていた通帳の残高は
見る見るうちに減っていきます。
残高が減るにつれ、不安が増えていきます。
■このままでは、まずいと思った矢先に
チラシを見たという、近所に住んでいるAさんと同年代の方が、
グループで教室に来てくれました。
グループのリーダー的存在のBさん。
Aさんの思いや考えに、同年代と言うこともあり
非常に共感して、Bさんをはじめとするグループの方々が
入会をしてくれました。
■そこから、何かあるごとにAさんやスクールのことを
気にしてくれ、友達の紹介はもちろんのこと、
人手が足りないときには、お手伝いもしてくれました。
BさんたちもAさんのスクールが少しでも良くなるように
一生懸命活動をしてくれ、アドバイスもくれ、
AさんはBさんたちと常に一緒に居ました。
Bさんたちのお蔭もあって、1年後には、お客さまも順調に増え
スクールは黒字化をしていきました。
お客さまが増えることは、とてもうれしいことでしたが、
Aさんの業務量はますます増えていきました。
Aさんのスクールは、教室のキャパを超えるくらいの
お客さまが集まるところになっていました。
スタッフも増え、お客さまの対応をスタッフに任せていきます。
それでもできる限り、お客さまと接する時間を作ろうとする
Aさんでしたが、とても時間がありません。
そのころ、Bさんたちとの時間も減っていき、
今までBさんたちがお手伝いしてくれていた業務も
スタッフが行うようになっていました。
■さらに、Aさんの活躍の場を増やそうと、2店舗目を計画します。
計画の相談をスタッフとしていた時、
Bさんが、話に入ろうとしてきました。
その時、Aさんは「もうこれ以上、Bさんに迷惑はかけれないから
今後は自分たちで何とか決めていくね。」と言いました。
Bさんは、その場では、「そうだね。」と納得してくれたようでしたが、
その後、Bさんを含め、初期に入会して、いろいろと盛り立ててくれた
大切なお客さまたちから、退会届がでてきました。
Aさんは、もう私たちがいなくても大丈夫、と表面上では
言っていましたが、帰り際、スタッフが、ある言葉を聞いていました。
「Aさん、変わったよね…」
「もう私たちのことはどうでもいいんだ…」
このスクールで起きた事例は、決してレアケースではありません。
私のお客さまのなかでも、似たようなことが起きています。
スクールビジネスは他のビジネスと違い、
入会してくれた時点で、ほぼリピート客になります。
その後、リピート客をファン客にしていくことは間違いではなく
必要な工程です。
Aさんはどこか間違っていたのでしょうか。
それとも何も間違っていなかったでしょうか。
あなたはどのように思いますか。
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