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教室運営のヒント NO,63◆閉鎖してしまう教室

最近、英会話スクールや学習塾の閉鎖が目立ちます。

 

その要因として、資金繰り悪化が理由として挙げられていますが、
主な収入を授業料としてお客さまからいただいている以上、先に現金が入ってきます。

 

その使い道を間違えてしまい、収入より支出が多くなってしまえば
それは大手、中小、個人問わず苦しい経営を強いられます。

 

これは教室運営以外、商売をする以上すべてに当てはまります。

 

またその資金繰り悪化の原因として尐子化による生徒減少も挙げられていますが、
学習塾などで中学校、高校、大学などの合格率や合格人数などの実績を他教室との
差別化のメインコンテンツとして消費者にアピールしている場合は
よく考えなくてはいけないと思います。

 

確かに合格率や合格実績は、非常にわかりやすいものかもしれませんが、
その実績が他教室との差別化のメインコンテンツに使うには、少し足りない気がします。

 

同じように英会話スクールでも、『楽しく英語が学べます』だけではどこの教室も
同じように消費者には見えるので差別化は難しくなってきます。

 

それは、その合格率や合格実績、楽しく学べるなど親は自分の子どもにも
当てはまるかどうか知りたいのです。

 

学校の成績があまりよくなく、勉強もあまりしない子どもの場合は、
どのように指導してくれ、合格率はどうなるのか。

 

また内気で、なかなか人の中で楽しめない子どもは、本当に楽しんで英語を学んでくれるのか。

 

もしその差別化が消費者にうまく伝わらなければ、必然的に消費者が見るのは、
価格になってきます。

 

A教室とB教室の合格率や合格実績が、消費者の目から見てほとんど差がないと思えば、
授業料の安い教室を選ぶのは当然なことです。

 

そうなると今度は価格競争となり、体力戦となってしまいます。
いわゆるディスカウントストアー状態です。

 

ここでもう一度、英会話スクールや学習塾などの主な経費を考えてみましょう。

 

これは以前もお話したとおり、『教室にかかる地代家賃』『講師などにかかる人件費』
『生徒募集のための広告宣伝費』が、支出のなかで多くの割合を占めています。

 

そこで、こういった教室が授業料を安くしようとすれば細かな経費削減はもちろんですが、
上記の3つのなかでの経費削減をしなければいけなくなります。

 

たとえば、地代家賃の削減により、教室の立地が悪くなったり、
内装が雑になったりとお客さまである生徒に対し、教室環境を悪くすることになります。

 

また講師の人件費の削減のため、講師人数を減らしたり、研修をしっかりと行っていない
講師に授業を受持たすことにより、授業内容は悪化していきます。

 

さらに、生徒募集のための宣伝広告費を削ってしまうと、新規生徒の入会もなくなり、
教室の収入にも影響してきます。

 

価格競争に突入してしまえば、このように教室経営を揺るがすことになってしまいます。

 

それでも、資金力に自信があり体力のある教室であれば、他の教室が潰れるのを待つことができます。

 

そして一気に潰れた教室の生徒を自分の教室の生徒として確保することができますが、
一度下げた授業料は易々と上げることができず、結局赤字の教室経営であれば、
いくら資金力があってもいつかは潰れてしまいます。

 

確かに企業努力として、安価でよりよいサービスを提供することが必要ですが、
無理をしたものになれば、先は見えてしまいます。

 

しかしなかには上記でお話した主な3つの経費削減をうまく行っている教室もあります。

 

たとえば、『教室にかかる地代家賃』を講師の自宅やカフェなどを教室にすることにより削減させ、
授業料に還元する教室。

 

または、『講師にかかる人件費』をマンツーマンレッスンにすることにより、
正社員ではなくアルバイトで対忚している教室。

 

このように価格競争をしていくのではなく、発想を変えることにより、
教室の運営スタイルを変えていくという方法もあります。

 

何はともあれ、教室を閉鎖してしまえば教室に通われているお客さまに迷惑が掛かってしまいます。

 

そうならないためにも、価格競争に巻き込まれないように教室運営をしていかなければいけません。

 

そのためにも「今まではこれでよかった」ではなく、教室運営について学び、
戦略的な運営方法を検討していく必要があります。

 

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