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帝国データバンクは、スポーツジムやフィットネス事業などを展開するスポーツクラブ大手の最新期決算について8月26日に発表した。同社の調べでは、スポーツクラブ事業を展開する主な上場8社の、20年4~6月期の売上高合計は277億円にとどまり、前年同期(782億円)から6割超の大幅減少となった。利益面では、合計91億円の大幅な営業損失となり、損失額が前期から大きく拡大した。
上場スポーツクラブ8社の四半期別 売上高 利益合計 動向
新型コロナウイルスの感染拡大スポットの例として政府がフィットネスジムを上げたことをきっかけに、利用者の新規獲得ができないほかに休会や退会なども多かったほか、店舗の休業などを余儀なくされたことも、業績に大きな痛手となった。
上場スポーツクラブの20年4~6月期の業績は、8社全てで前年同期から減収・赤字となった。RIZAPグループが発表した20年4~6月期の、トレーナーがマンツーマンで指導する業界大手のフィットネスジム「ライザップ」などの部門業績は、売上高が前年同期比4割減の77億円、営業損益が17億円の赤字となった。
「コナミスポーツクラブ」を運営するコナミHDのスポーツ事業は、当期売上高が前年同期比約7割減の47億円、営業損益が11億円の赤字。前年同期から最も減少幅が大きかった、「ティップネス」などを抱える日本テレビHDの総合スポーツクラブ事業は、当期売上高が前年同期比約8割減の20億円となり、営業損益が26億円の赤字だった。
スポーツクラブの経営については、従来から需要の拡大に伴い格安事業者との競争が激化するなどの課題もあった。こうした中、新型コロナの感染拡大防止に向けた政府の緊急事態宣言、自治体からの休業要請などが相次ぎ、店舗の休業や時短営業を余儀なくされたことで稼働率が大幅に落ち込んでいた。
加えて、休業期間中などに特例の休会期間として会費の免除を行ったケースも少なくないほか、休退会者の増加、入会者の減少といった悪影響が業績に大きく響いた。
新型コロナの感染拡大に伴い、日本フィットネス産業協会(FIA)は5月、専門家の知見を取り入れた感染拡大防止ガイドラインを公開。業界全体で、ジム内でのクラスター(集団感染)発生に対する利用者の不安払しょくに努めている。動画サービスの活用など、オンライン化を軸に来店する必要がない新たなサービスを提供することで、利用者のつなぎ止めに取り組む企業も出始めている。
ライザップグループは、法人向け参加型健康セミナー「RIZAPウェルネスプログラム」についてオンラインLIVE配信チャンネルを開設。ルネサンスでは、来館のみに頼らない取り組みとして、オンラインを活用したレッスンプログラムの配信サービスを展開。「“密”を回避したい」個人利用者のニーズを取り込むことで、スポーツジム需要の利用回復につながることが期待される。
ただ、新型コロナの収束が見通せない状況下、新規入会者の獲得や退会の動向などから「第2四半期以降の業績にも引き続き影響を及ぼすことが想定」される(コナミHD)など、スポーツクラブをめぐる事業環境は依然として先行き不安定な状態が続くとみられる。
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