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塾、対面指導ないのに授業料は徴収 減額してもらえる?

新型コロナウイルスが影響を及ぼした「学びとお金」に関して、読者から寄せられた相談をもとに弁護士に聞きました。

 

 

 Q 息子が通う学習塾は休校後、テキスト送付や解説動画配信、電話・メールでの質問対応をしてくれますが、授業料は全額引き落としとなっています。対面授業がなく質が低下しているのに、全額徴収されるのは納得できません。

 

 

 A 塾側の履行すべき義務ができない状態(履行不能)になっているかどうかがポイントとなります。当事者である塾側と質問者側の双方に落ち度(帰責事由)がないのに履行不能になっている場合、民法536条1項により授業料の支払い義務の消滅を主張することができます。

 

 しかしご質問のケースでは、塾側としてもテキスト送付や解説動画配信、質問対応など、困難な状況の中でできるだけの対応を行い、塾側の義務が一応は履行されていると評価できます。このため履行不能を主張することは困難と考えられます。

 

 塾側の提供するサービスの質が低下していることは否定できないとしても、緊急事態宣言や休業要請に伴うやむを得ないものと考えられ、塾側に落ち度があるものではありません。このため、塾側の契約違反を理由に契約を解除したり損害賠償を求めたりすることは難しいでしょう。以上から、授業料の返還や減額の請求は困難です。

 

 一方、例えば対面での指導でないと意味をなさないような習い事の場合では、民法536条1項による対価の支払い義務消滅を主張できる余地があります。

 

 

コロナ法律相談 回答:秋山直人弁護士

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