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2014.11.18
教室運営のヒント NO,19◆宣伝広告の方法 広告の考え方
前回は、宣伝広告を4つに分類してみました。
今回は、この広告をマーケティング・ツールとして捉えた場合、
どのようにすれば販売を伸ばすことができるか、について考えてみたいと思います。
まず広告には二つの基本的な考え方があります。
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●「アイデンティティーを確立する。」
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たとえば、トヨタが新型のクラウンを導入したとき、同社は消費者に告知するために
一財産を使っています。 テレビCMは、たとえば海岸線の曲がりくねった道路を軽快に
駆け抜ける新型車を映し出します。すばらしいイメージです。
現実の生活環境のなかで、渋滞した道路で疲れ果てた兵士のようにあえいでいる新車を
画面で見せることは決してありません。
このアイデンティティー構築のプロセスは、消費者の誰もがその製品をよく知っている場合でも
休みなく続けられます。
コカコーラもそうですね。
コーラはもう何十年のも間、ソフトドリンクのベストセラーを維持しています。
もちろん知らない人はいないはずです。
その立場を守るために、コーラは毎年ペプシよりもはるかに多くの広告費を使っています。
このようにして、各企業はアイデンティティーを確立していっています。
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●「買うのは今だ。」
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クラウンを今日買おう。コーラの1ケース今日買おう。
トヨタ、コーラのアイデンティティーを構築するためのコストは、メーカーが負担します。
そして消費者に今日買う気にさせるためのコストは、小売店が負担します。
車のディーラーの新聞広告に、どのくらいのアイデンティティーの統一があるでしょうか。
全くないですよね。有るのは価格だけです。
ディーラーが低価格をあおりたてるのに飽きてしまうと、さらにそれまで以上に低価格をあおります。
ディーラーがテレビCMを作るときにそこで何を強調しているでしょうか。 やはり価格になります。
コーラを販売する小売店の場合も、この価格を強調することは変わりません。
製品の小さな写真にブランド名、そして価格、価格、価格。
低価格を強調する目的は、もちろん消費者に今買わせることです。
待ってはいけない―価格が上がる―買うのは今だ。 このように消費者をあおっていきます。
この2つが基本的な広告の考え方になります。
それでは、片方のタイプの広告は、もう一方のタイプが伴わなくても効果はあるのでしょうか。
それは、もちろんありますが、それについて少し説明をします。
アイデンティティー構築のさまざまな手法は「今買おう」式の広告抜きでも充分効果は発揮します。
コカコーラは毎日それを証明しています。
もしトヨタのディーラーが価格1本槍の広告を地方紙に打たなくても、
トヨタのテレビCMに触発された消費者は、トヨタの販売店を何とか探し出します。
けれども、「今買おう」式のさまざまな手法は、アイデンティティーを構築しようという
広告なしには効果が発揮されません。
一般的な自動車を思い浮かべてみましょう。つまり「クルマ」と呼ばれる何の変哲もない車輪をつけた、
ただの箱のことです。
箱型で黒色の「クルマ」を写した粗い粒状性の写真が地方紙に載っていました。
森の中にたたずむ、あるいは水しぶきをあげながら浜辺を疾走する「クルマ」の美しいシーンは全くありません。
「クルマ」はクラウンより50万円安い。
果たして、クラウンを見捨てて、人がその「クルマ」のディーラーに殺到するでしょうか。
そんなことは、まずないですよね。
それは誰でもアイデンティティーを構築できるだけの広告予算があればいいですよね。
しかし実際は、ほとんどその予算を持っている企業はありません。
それでは、どのようにすればいいのでしょうか。
それは、「アイデンティティー構築」と「今買おう」を同時にすることなのです。
それでは、今回はここまでにします。
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